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ノミ・ダニ予防薬について
ご家庭のペットへの予防意識の向上や、野良猫の減少、室内飼育の増加などにより、以前よりノミやダニの寄生でご相談を受ける頻度は減りました。しかし、まだまだノミの寄生は普通に認められますし、最近では、ダニが媒介する感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)がペットから人に感染したとのニュースが紙面を騒がせることもあります。
そして、室内飼育の増加や、ペットを家族の一員として共に暮らすというペットとの生活スタイルの変化により、飼い主様とペットとの距離がより近くなっている現在は、ペットの病気の予防とともに、上記のようなペットから人に移る病気についてもより注意が必要となっていると思われます。
このような状況を踏まえまして、当院ではこの度、「シンパリカ」というノミ・ダニ予防薬を新たに導入することとしました。当該予防薬の発売は2018年ですので、発売後ノミ・ダニの流行時期を2度ほど経過したお薬になりますが、その間の報告等から、高い効果と高い安全性が十分に期待できると判断しました。
従前の予防薬に比べ、ノミに10倍、ダニに3倍の殺滅効力を持つほか、薬剤耐性をもつノミにも効果があります。一方、薬の作用部位が哺乳動物では認められない、もしくは非常に低感受性である部位であることから、ペットへの安全性も非常に高い薬です。
ノミ、ダニの吸血により痒いというのももちろん問題ですが、これらが媒介し広げる感染症には命に関わるものがあります。また、ご自宅のペットの予防をしっかりすることは、他のご家庭のペットの予防にもつながります。再び暖かい季節がやってきます。今までノミ、ダニに寄生された経験がないと、予防の重要性がわかりづらいと思います。しかし、予防にまさる治療はありません。ぜひ、予防を徹底して、ご家族全員の健康を守っていただきたいと思います。
なお、今まで当院で処方していた予防薬で、特に効かない等のご相談はありませんので、新しいお薬は食べてくれない、皮膚につける薬の方が良いという飼い主様には、引き続き同じお薬を処方致しますのでご安心下さい。また、フィラリア ・ノミ・ダニを1剤で予防する合剤については、昨年と同じお薬となる予定です。