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2021年フィラリア 予防について

1、はじめに

今年もフィラリア予防の時期が近づいて参りました。昨年の今頃も新型コロナウイルス感染症の広がりで不安の中の春でしたが、1年後もこのような状況が続くとは予想しておりませんでした。

今年は、より飼主の皆様に安心してご来院して頂けるよう、院内の消毒の徹底はもちろんですが、密を避ける工夫として、春の予防のための予約診療時間を設定させて頂きました。インターネットを用いての予約はトップページにも記載しておりますので、是非ともご活用下さい。

コロナウイルスとは関係なく、春になるとワンちゃんにとっては命に関わるフィラリア感染症の感染時期となります。また、ヒトへの感染も報告されておりますSFTS感染症ウイルスを媒介しているマダニやノミの感染も春から増えて参ります。是非皆様のワンちゃんの感染予防のためにご来院下さい。

2、昨年のフィラリア感染開始日と終了日について

毎年HDU(Heartworm Developmet heat Unit)という概念を利用した犬糸状虫感染期間についてお伝えしておりますが、同様の方法で計算した昨年(2020年)の犬糸状虫感染開始日と終了日を皆様にお伝えします。HDUの考え方を以下に再掲します。

1日HDU = 日平均気温 – 臨界温度(14℃)

※日平均気温= (日最高気温+ 日最低気温) ÷2、マイナスとなった場合は0として計算

この1日HDUを春は毎日加算して130を超えた時点が感染開始日、冬は最近30日間の合計HDUが130を切った時点が感染終了日とします。

大阪および神戸気象台発表の気温データを用い算出したフィラリア感染開始日と終了日は次のとおりです。

感染開始日
大阪 5月14日  
(2019年は5月13日)
神戸 5月15日 (2019年は5月15日)

感染終了日
大阪 11月4日 
(2019年は11月11日)
神戸 11月5日 (2019年は11月12日)

繰り返しになりますが、HDUは、正確には蚊が飛び始める時期ではなく、蚊の体内でフィラリアの幼虫が感染する能力をもつまでに発育する時期を言います。ですので、蚊がいれば感染すると言う訳ではありません。

3、今年のフィラリア症予防期間

今年の感染開始日は昨年を参考にすれば、大きくズレることはないと思います。しかし、その年の天候や場所での変動は当然ありますので、当院周辺では5月始め〜12月上旬を予防期間とすれば良いと考えます。

また、フィラリア予防薬の処方前には、安全な投薬のために前年度の予防が成功していること(フィラリアに感染していないこと)を確認する必要があります。この検査はフィラリアに感染してもある程度の期間が経過しなければ感染を検出できないため、フィラリア予防開始日直前(4月以降)に行うことが、より感度の高い有効な検査となります。春の病院が混雑してくる前に検査を済ませ、予防薬をもらってしまいたくなりますが、痛い思いを我慢して頑張るワンちゃんのためにも、少しでも有効な検査をさせてあげて下さい。

4、フィラリア検診の予約診療について

フィラリア予防時期の混雑を少しでも緩和するために、今年は4月と5月の月曜日と金曜日の14時〜16時に予約制のフィラリア予防特別診察時間を導入することといたしました。
現在ワンちゃんが健康であり、フィラリア検査と予防薬の処方をご希望の飼主様はこちらの時間帯もご利用下さい(健康診断のための血液検査やワクチン接種もお受けできます)。もちろん、例年通り通常の診察時間でも検査・処方は可能(予約不要)ですのでご都合の良い方でご来院ください。

※ただし、体調に不安がある場合や、他の診察をご希望の場合には通常の診察時間にご来院下さい。

→予約診療受付はこちら

予防に勝る治療はありません。予約診療など活用いただき、是非ご来院下さい。

posted date: 2021/Mar/08 /
category: お知らせ
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